民法の学習を始めると最初の方で日数計算のことを習います。例えば、2026年4月4日から10日後までに1,000円を支払う、といった約束をするとにき、日数の計算は必須です。民法では初日不算入の原則といって、原則として初日をカウントしません(民法140条)。ですから、先ほどの例でいうと、2026年4月4日を計算に入れないで10日後、つまり、2026年4月14日午後12時までが返済期限となります(一度、指折りして計算してみると理解しやすいです)。ちなみに、この種の計算は各種ウェブサイトを利用すると便利です。
https://keisan.site/exec/system/1177659237
預金の利息などを計算するときには、日数計算が必要になりますが、これも同じように民法では初日不算入で計算します。例えば、2026年4月4日~2026年5月6日は初日を入れないと32日となります(30-4+6と考えると良いでしょう。これも上記ウェブサイトで簡単に計算できますが。)。
ただ、注意しなければならないのは、融資の場合の利息計算です。融資の場合には、初日も参入して計算することになります。利息は元本利用の対価です。そして、融資を受けた者は、その日(融資初日)から資金を利用することができます。このため初日も含めて計算してよいとされているのです(最判昭和33年6月6日民集12巻9号1373頁)。両端を入れて計算するので、「両端入れ」などと呼ばれることがあるようです。その反対を「片端入れ」と言ったりします(日数計算機能の付いた経理用電卓では「両端入れ」・「片端入れ」の切り替えスイッチがついていたりします)。
なお、前に戻りますが、既に述べたように預金取引の利息は初日不算入で計算されています。金融機関は預金の初日に資金を使えないので、初日不算入になります。
では、借り換えを繰り返す場合はどうでしょうか。例えば、2026年4月4日~2026年5月6日の期間で100万円を借りて、2026年5月6日に100万円(+利息)を返済するとともに、同額を借り入れるような場合です。例が分かりにくいかもしれませんが、要するに、短期の借入を繰り返すような場合です。融資なので両端入れで計算すると、支払期日と借入日初日の利息を二重に徴求することになってしまいます。これを「おどり金利」(「踊り」ではなく、「尾取り」の意味だそうです)といいます。昔はこれが慣行だったようですが、社会的な批判も強く、1973年に全銀協連合会が自主規制の形でおどり金利を廃止したということです。
<参考文献>
大垣尚志『金融と法 ―企業ファイナンス入門』253-254頁(有斐閣,2010年)