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商標登録出願のおすすめ

先日、「群馬・館林市のマスコット「ぽんちゃん」名称変更へ 商標登録せず、市民の登録を認める判決 新名称は近く発表」上毛新聞電子版2026年5月29日(https://www.jomo-news.co.jp/articles/-/945948)というニュースに接しました。実のところ、この記事の全文は読んでいないのですが、個人の方が先に「ぽんちゃん」という名称を商標登録してしまったということのようです。館林市としては「ぽんちゃん」を一定の商品などに使用することができなくなってしまうので、名称を変更する方向で考えているようです。「ぽんちゃん」の商標登録に関しては、その登録の可否をめぐって争われていますが、最終的には登録が認められたという経緯があります(知財高裁令和7年3月12日判決・令和6年(行ケ)第10090号)。

この事案は、重要な名称などは早めに商標登録を得ておくべきことを教えてくれるものです。商標については比較的簡単に登録を得ることができます。理由として、まず、特許のように技術的な知識が必要ないことが挙げられます。また、商標の使用意思は、そこまで厳密に審査されていないこともあります。つまり、商標は自己の業務に係る商品又は役務に使用することが求められますが、これは将来において出願商標を使用する意思があれば足りると考えられているのです。

そこで、上のニュースとは関係のない話ですが、世の中には、有名になりそうな商品名などをあらかじめ商標登録しておき、その商品が有名になったところで、登録商標の買い取りを求めたり、高額なライセンス料の支払いを求めたりする輩がいるのです。

もちろん、明らかに悪意があるような場合には、特許庁も登録を認めない運用をしています。例えば、種苗法に基づく品種登録出願にかかる品種の名称と同一又は類似の名称の商標が(第三者から)商標登録出願されたときには、次のように扱われます。すなわち、商標法審査基準(4条1項7号)によれば、以下のような商標登録出願は「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」として拒絶されます。

品種登録出願中の品種の名称と同一又は類似の商標であって、その品種の種苗若しくはこれに類似する商品若しくは役務、又はその品種に係る収穫物若しくはこれに類似する商品若しくは役務について使用をするものについて、①品種登録出願後に商標登録出願をし、②当該商標登録出願に当該品種の名称の品種登録を阻害する目的があることが、情報の提供等により得られた資料から認められる場合。

少し補足すると、品種登録出願は、最終的な登録まで3年程度かかることが多く、品種登録出願の出願公表がされて品種の名称が分かってから商標登録出願をしても、商標登録のほうが先になされる可能性が高いのです。そこで、近時、このような取り扱いが審査基準に明記されるに至っています。

品種登録出願にかかる名称と同一又は類似の商標であれば、比較的、目的の判断はしやすいかもしれません。ただ、現実には、商標登録出願人の意図ははっきりとは分からないことのほうが多いでしょう。この場合には、そのまま商標登録がされてしまうことになります。後日に無効審判などを起こすことも考えられるかもしれませんが、どのような判断がされるか分かりませんし、その負担もかなり大きいでしょう。大切な商品の名称や屋号のようなものは、なるべく早期に商標登録しておいて自身の使用権原を確保しておいた方がよいでしょう。

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