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相続(遺産分割・相続放棄)

相続(遺産分割・相続放棄)

 遺産分割

誰しもが一度は経験することになるのが遺産分割です。例えば,ご自身のお父様がお亡くなりになったら,お父様の遺産を相続人で分ける必要があります。これが遺産分割です。遺産分割に際しては,まず,相続人を確定させます。次に相続財産(遺産)を調査します。金融機関に残高の照会をしたり,固定資産税の評価証明書を取得したりします。

また,被相続人から生前に贈与を受けている相続人がいれば,特別受益などの問題を調べる必要があります。

手続きとしては,遺産分割の協議をするとともに,協議が整わないときには,遺産分割調停の申立てをします。なお,遺産分割などの相続手続に関して,代理人として交渉等をすることができるのは弁護士だけです。紛争性のある事案であれば,お早めに弁護士にご相談ください。当事務所の弁護士は規模の大きな遺産分割事件に関与していた経験も多く,複雑な問題に関しても迅速に対応することができます。

また,相手方から遺産分割調停を申し立てられることもあるかと思います。このような場合にも,早めのご相談をおすすめします。

 

 遺言書がある場合

遺言書がある場合には,遺言の内容に従って遺産を分ける必要があります。もっとも,相続人全員の合意があれば遺言とは異なる遺産の分け方をしても構いません。

遺言無効
兄弟姉妹と遺産分割の話をしていたら,突然,遺言書の存在が明らかになったということはありませんか。お父様やお母様がそのような遺言を残すとは考えられないということもあるかもしれません。被相続人が施設に入居していて遺言書を書くことなどできなかった場合など偽造が疑われる場合もあります。あるいは,認知症が進行していて遺言の内容を全く理解できていなかったという状況も考えられます。いろいろな状況が考えられますが,場合によっては,遺言が無効にされることもあり得るのです。遺言無効確認訴訟を提起することになりますが,直接的な証拠がないので,この種の訴訟は非常に難しい部類に含まれると思います。早い段階で弁護士にご相談いただくことをおすすめします。

遺留分減殺額請求
一方で,遺言の存在は認めざるを得ないけれど,それでは自分が遺産をまったく取得できなくなってしまうということはないでしょうか。このような場合に備えて民法では最低限の取得分としての遺留分が認められています。ただ,遺留分の計算はかなり複雑になることが多くあります。当事務所は,遺留分減殺額請求事件に関する多くの経験を有していますので,的確に処理を進めていくことができます。
なお,遺留分に関しては,自分の取り分がないことを知ってから1年以内に,相手方に対して一定の意思を示さなければなりません。早期のご相談をおすすめします。

 

派生する問題(使途不明金など)

遺産分割に際しては派生的な問題が発生することがあります。特に代表的なものが被相続人がお亡くなりになる前の預貯金の使途不明の払い戻しに関する問題です。このような使途不明金の問題は,遺産分割とは切り離して考えなければなりません。手続きとして,遺産分割の調停ではなく,使途不明金の返還を求める訴訟を起こさなければならないからです(ただし,遺産分割調停でも2~3回程度の期日は話し合うようにする運用はあるようです)。なお,被相続人の死後の払い戻しについては,相続法の改正により,一定の場合には,その財産が遺産として存在するものとして扱うことができるようになっています。

使途不明金を問題とするのであれば,被相続人の預貯金の取引履歴を金融機関から取り付けてください。預貯金の出入金を精査して,被相続人ではない人が使った部分を見つけでしていく作業が必要になります。当事務所の弁護士は使途不明金に関する訴訟についても多数の経験を有しています。まずはご相談いただくことをおすすめします。

 相続放棄

遺産としてプラスの財産がある場合ばかりとは限りません。マイナスの財産の方が多いこともあります。そのような場合には,相続を放棄することもできます。相続放棄をすることにより,相続人ではないという扱いになります。したがいまして,マイナスの財産も相続しませんが,プラスの財産も相続できませんので,ご注意ください。

また,相続放棄は,「自己のために相続があったことを知ってから3か月」以内にしなければならないとされています。「被相続人がお亡くなりになってから3か月」ではありませんので,事情によっては,お亡くなりになってから3ヶ月が経過しても間に合うこともあります。ただ,早めに対応していただいた方が間違いはありません。

なお,相続放棄をする場合には,被相続人の財産,つまり相続財産に手を付けてはいけません。うっかり預貯金を払い戻したりすることのないよう,ご注意ください。自動車も名義変更等しないようにしましょう。ただ,生命保険について,生命保険金を受け取る権利は相続財産ではないと考えられていますので,保険金の請求をすることはできるでしょう。契約関係などをご確認の上,対応されるとよいと思います。