遺産分割に際しては遺産の価値を金額で評価しなければなりません。預貯金等はわかりやすいのですが、不動産などは評価が分かれてしまうことも多くあります。また、時間の経過により評価が変わることもあります。
では、どの時点の評価を基準にすればよいのでしょうか。実務的には、遺産の評価時点は遺産分割時とされています。この時点で公平な分割ができるようにするためです。
そうすると、相続開始時の評価は気にしなくてもよいのでしょうか。こちらは特別受益や寄与分の主張があるときに検討しなければなりません。つまり、この時点での具体的相続分を計算しなければならないからです。
弁護士が入るような事案では、後者のケースも多いので、そのときには、遺産分割時と相続開始時の評価を考えていかなければなりません。いずれにしても、この評価が決まれば遺産分割協議の多くの部分がクリアになったという印象です。