離婚事件において慰謝料を請求することがあります。
では、この慰謝料債務(損害倍書債務)はいつから履行遅滞に陥るのでしょうか。言い換えれば、いつから遅延損害金を支払わなければならなくなるのでしょうか。
最二小判令和4年1月28日(令和2年(受)第1765号)は、この問題について判断をしました。
離婚に伴う慰謝料は、①離婚原因となった有責行為による慰謝料と、②離婚という結果そのものから生じる慰謝料の2つがあるとされています。これらの慰謝料は一連の経過により生じたもので、一体的に捉えられています。そこで、判決では、離婚の成立時から履行遅滞に陥ると判断しました。したがいまして、判決確定日の翌日から支払済みまでの遅延損害金を請求することになります。なお、実務的にもこのような取扱いが一般的となっていたようですので、異論は少ないようです。