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レコード演奏・伝達権のイメージ

少し前にご紹介しましたが、レコード会社や歌手・演奏家のための「レコード演奏・伝達権」を創設する方向での検討が進められています。文化審議会著作権分科会政策小委員会(令和7年度第5回)の配布資料にある報告書(案)では、「国際的な制度との調和を図り、実演家等への対価還元を一層促進する観点から、「レコード演奏・伝達権」を創設することが望ましい」とされています。おそらく、今期(2026年)の通常国会で著作権法の改正案として審議されることになりそうです。

従来、歌手や演奏家などの「実演家」の歌唱や演奏を録音したレコード(CD)を、カフェやレストランなどの店舗で流しても実演家に報酬は入りませんでした(放送・有線放送をする場合にだけ報酬請求が認められていました)。なお、作詞や作曲をした著作権者の権利は別ですので、ご注意ください。

レコード演奏・伝達権というのは、商業用レコードを用いた公の演奏行為全般に報酬請求権を認めるようにしようとするものです。上記の報告書を読むと次のような法制度のイメージを想定しているようです。

・CDやダウンロードした配信音源等をプレーヤーで再生して不特定の人に聴かせる行為や
・放送等されるCDやストリーミングの音楽を受信して不特定の人に聴かせる行為
に対して実演家やレコード会社が使用料を請求することができるようにする。
・使用料は文化庁長官の指定する指定団体が徴収して、公平に配分する。
・著作権と同様に非営利・無料の場合には、支払いなしでも利用できるようにする

(分かりやすくするために、若干正確ではないことご了承ください)

最後のものは、非営利・無料の演奏や放送に対しては著作権の権利行使も制限されることから、それと同様に実演家の権利も制限するべきだろうということです。この規定には、通常の家庭用受信装置(要するに家庭用のテレビやラジオ)で放送を聴かせる場合には、営利目的の場合でも著作権者の権利が制限されるというものがあります。つまり、お店でテレビ放送を流していても著作権侵害にはならないというものです。

また、料金については、元栓徴収といって業務用BGM配信事業者などから包括的に徴収するようにし、それができない個別の徴収(蛇口徴収)に関しては、音楽著作権管理事業者(JASRACなど)と連携して電子決済などで徴収するというイメージが書かれています。

このあたりを整理するとこのような感じでしょうか(まだ何も決まっていないので分からないのですが…)。
・店舗でCDを再生する → JASRACなどで手続きをしてお金を払う(ことになるはず)
・店舗で○○ミュージックなどをストリーミング再生する → サブスク型音楽配信サービスは一般には商業利用できないので、規約違反の可能性大であるうえ、JASRACなどへの支払も必要?
・店舗でテレビやラジオを再生する → 権利制限規定があるので支払い不要(のはず)
・店舗で業務用BGM配信サービスを利用する → 多分、サービスの料金に上乗せされる

いろいろなパターンが考えられそうですが、広い範囲に影響がでそうですので、利用者の負担も考えて納得感のある制度設計が求められるように思います。

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