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営業秘密の漏洩とその対策

IPA(独立行政法人情報処理推進機構)より「企業における営業秘密管理に関する実態調査2024」報告書が公開されています。それによれば、過去5年以内に営業秘密の漏えいがあったと思われると回答した企業の割合が、2020年には5.2%だったところ、2024年には35.5%に大きく増加したということです。企業としては、営業情報の漏洩にこれまで以上に気を使わなければなりません。

営業秘密の漏洩ルートはというと、下表として引用したとおり、外部からのサイバー攻撃が大きく増えていることはもちろんですが、近時は現職の従業者等による漏洩が増えているようにみえます。特に、現職従業者等による金銭目的当の具体的動機をもった漏洩の割合が大きくなっています。

企業においては内部的な営業秘密の漏洩防止対策をとらなければなりません。経済産業省の「秘密情報の保護ハンドブック」(平成28年2月、令和6年2月最終改訂)によれば、情報漏洩対策として、次の5つの対策をとることが推奨されています。

【物理的・技術的な防御】
①接近の制御 … 秘密情報に近寄りにくくする
②持ち出し困難化 … 持ち出しを困難にする
【心理的な抑止】
③視認性の確保 … 漏洩が見つかりやすい環境をつくる
④秘密情報に対する認識向上 … 秘密情報と思わなかったという事態を招かないようにする
【信頼関係の維持・向上】
⑤社員のやる気を高めるための対策

(詳しくは、https://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/pdf/handbook/full.pdfをご参照ください。)

ここで紹介されている例には、技術的に高度なものも含まれていますが、比較的に簡単に取り入れることができるものもあります。あまり難しく考えずに、まずは、企業のもっている情報に関しても、5Sが必要であり、日ごろから整理・整頓とルール順守をさせるべきだというくらいでよいのではないかと思います(5S = 整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)。

また、内部不正が多いという点からは、不正のトライアングルという点からも検討が必要でしょう。不正のトライアングルとは、動機、機会、正当化の3要素が揃うと不正が発生しやすいという考え方です。⑤の社員のやる気を高めるための対策というのは、従業員等の不正への動機づけを下げる方向に働くはずです。また、企業の風土を改善するという意味でいえば、正当化を防止することにもつながるでしょう。

営業秘密の漏洩対策というと、高度な技術的手法をイメージしがちですが、これまでにも唱えられていたアナログ的な手法が有効なのではないかと思います。

 

営業秘密の漏洩ルート(IPAウェブページより(https://www.ipa.go.jp/pressrelease/2025/press20250829.html))

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