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登録商標の普通名称化

連日、猛暑が続いております。街中でもファン付きのウェアを着ている人を見かけることが多くなりました。少し前に話題になっていましたが、このような服装は「ファン付きウェア」とか「ファン付き作業服」と呼ぶべきもののようです。「空調服」という表現を使っていたところ、「空調服」は株式会社空調服の登録商標だということで注意喚起がされていたということです(https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2026/07/27/articles/20260727s00041000188000c.html)。

登録商標は、原則として、商標権者のみが指定された商品等に使用できます。それによって、登録商標をみることで、誰の商品等なのか識別できるようになり、商品等の内容や性質等も判断できるようになると言われています。

もっとも、普通名称は、その商品等の一般的な名称ですから、それを見ても誰の商品であるのかを識別することはできません。このため商標登録をすることはできません。また、同じような理由で商品等の内容や品質などを説明する記述的・説明的な商標も登録をすることはできません。なお、このような商標については、特定の人に独占させるべきではないから商標登録を認めるべきではないという説明もされます。ただ、このような商標であっても長年使ていると誰の商品等であるかを識別する力を獲得する場合があります(よく例として挙げられるのがアイス菓子の「あずきバー」です)。話題になっている空調服も使用に伴って識別力を獲得したとして、商標登録が認められたようです。

商標登録が認められたならそれでよいのではないか?と思いたいところですが、皆さんが「ファン付きウェア」のことを「空調服」と呼ぶようになると、それが定着してしまうことがあるのです。言い換えると、「空調服」が「ファン付きウェア」の一般的な名称となってしまうことがあるのです。事後的な普通名称化などと言われたりします。例えば、「正露丸」は大幸薬品の登録商標とのことですが、クレオソートを主成分とした整腸剤を表す普通名称になっていると言われます。

このようにして普通名称化してしまうと、商標権をもっていても権利行使ができなくなります。商標法には、その商品の普通名称を普通に用いられる方法で表示する商標に対しては商標権の効力が及ばないとする規定があるからです。今回の会社側の注意喚起には、そのような普通名称化を防止したいという意図があるのです。また、書籍や記事などで商品名の後にカッコ書きで「登録商標」と付記してあったり、®の表示がついていたりするののを見たことがあると思います。これらは登録商標であることを意図的に示して、普通名称化を抑止することを目的としているのです。

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