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共有の土地の活用方法

お父様から土地を相続したけれど、まだ遺産分割ができていなくてそのままになっているようなケースがあります。以前にもご説明したように、令和6年4月1日から相続登記が義務化されますので、早めに名義の変更をしていただいたほうがよいでしょう。この内容に関しては、以下もご参照ください。

相続登記が義務化されます!

ここでは、土地は共有にしたままで、とりあえず用途が決まるまで貸しておきたい、というようなケースを考えてみます。当然ですが、共有者(つまりは相続人)の全員の同意があれば、賃借権を設定することはできます。では、一部の相続人だけで、土地を貸しにだすことを決めることはできるでしょうか。

このような問題については、令和5年4月1日より改正法により明確な基準が示されます。つまり、比較的短い期間の賃貸借については、土地を管理する行為と考えることができますので、共有者の持分の価格の過半数で決めることができるのです。例えば、相続人の配偶者(1/2)と長男(1/4)が同意すれば、二男(1/4)の意向にかかわらず、5年までの期間であれば土地を駐車場として貸し出すことができます(民法252条4項2号)。ただ、それよりも長い期間だと、全員一致でなければなりません。また、建物については3年とされています(同項4号)。ただし、借地借家法が適用されるような場面では、例えば、建物について契約期間を1年としていても、全員の同意が求められます。なぜなら、借地借家法により借主が強く保護されるので、実際には更新が繰り返されることが想定されるからです。

このように、いろいろと慎重に考えていかなければなりません。いずれにしても、早期に遺産分割を完了させて、どなたかの単独所有にしておくべきように思います。

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